近未来なのかパラレルワールドなのかわからないけど、
ついに夢をビジュアル化することに成功した世界。
「獏」という装置を使うと、夢の記録をデジタルデータで残すことができるのだ。
この行為を
「夢札を引く」
なんて表現するあたりが魅力的である。
夢札を引く技術も向上して、夢がカラーの動画として見られるようになった頃、
記録された夢を解析する職業「夢判断」に就いている青年が主人公。
ある日幽霊に遭遇した主人公。
そこから、「夢」についての怖くて切ない物語が幕を開ける。
ホラーって分類でもいいくらいだと思った。
ドキドキして、少し背筋がヒンヤリして、すっかり恩田ワールドに引き込まれました。
やはり、舞台の設定が最高ですね、この作家は。
とても魅力的な舞台の中で、静かに物語は進んでいきます。
ここのところ読書量が減っていたけど、久々に集中して読みました。
オススメです!
