夏目漱石
中学生の頃だったかな、「我が輩は猫である」を読もうとして何度も挫折して以来、一切手に取らなかったのですが、
とある事情で読みたくなり、
図書館で借りました。
よねむしと同じくらいの年齢の本。
純文学なんて読むことないのですが、読んでみると、ほとんど現代と変わらない世界がそこにあるという点に驚かされます。
よねむしはもちろん、母だって産まれていない時代。
生きている人たちの「こころ」って、当時から全く変わっていないんですね。
そして、同じようなことで悩んだり、死を選んだりもする。
今まで歴史の教科書上の人物だった夏目漱石がすごく身近に感じました。
ただ、この頃との大きな違いは、精神の成長がかなり遅くなっていること。
当時の人たちは、20歳前にこんな内容を読めていた訳ですが、現代の若者には理解できない。
36歳で読んで、やっと内容が理解できる。
現代人の精神的な成長は、20年近く遅れているように感じます。
私だけかもしれませんが。
子供のまま大きくなったピーターパンだらけの世界。
それはそれでうんざりですね。
明治維新以来の大きな転換期に生きている私たち。
これからどんな価値観が育ち、どんな世の中になるのでしょうか。
私たちは、私は、どんな世界を望むのでしょうか。
真剣に考えるべき課題です。
寿命が伸びるとともに、精神の発達も遅れている現代、
子供たちにどんな教育をしてあげることができるだろう。
どうやって精神の成長を導けば良いのだろう。
娘、息子の寝顔を見ながら、この子たちに対する責任を実感します。