落日の宴

落日の宴

吉村昭 著 『落日の宴』

江戸幕府が崩壊する頃の勘定奉行、川路 聖謨の伝記。


読み終えたらとてもせつなくなりました。
読後に改めてタイトルを見ると

『落日の宴』

さらにせつなくなりました。
よくこんなタイトルをつけたなあ。泣きそうです。


歴史は常に勝者側からしか語られない。
しかし、明治維新が実はひどいクーデターで、日本を滅茶苦茶にしたという説は、最近よく取りざたされています。

幕府方からの視点で描いた、黒船来航から大政奉還。

幕府にもう少し力があれば、クーデターも起きず、うまく乗り切れていたのかもしれない。
これだけ有能で日本のために尽くした人が、なんと悲しい最後を迎えることか。


心にしみた部分があったので、引用させてもらいます。
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 人と議論におよんで、相手の意見に反する時は、つとめておだやかな言葉を使い、決して憎しみを抱いてはならない。相手が道理に反したことを口にしても、それが職務をそこなうものでないものなら、少しも心にとどめてはならない。このような心掛けでなければ、枝葉末節のことのこだわるようになり、役職をおろそかにするようになる。
 勘定奉行の筆頭になったかぎり、職務について合議することも多い。そのような折には、多くの者の発言にもたれかかる気持ちになりがちだが、それはもってのほかである。まず、確固とした自分の意見をもち、その上で多くの者の意見をきくべきで、いたずらに衆議に身をまかすことは決してしてはならぬ。だたし、いったん衆議にしたがった上は、自分の意見は忘れ、そこに固執すべきではない。
 また、筆頭勘定奉行は、登城すれば職務がきわめて多く、多忙故に人に対する応対が粗略になる恐れがあり、心してそのようなことがないようにつとめなければならない。
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意識して頑張ります。



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