「ちょっ……、ちょい、どけよー!」
「そっちこそ、ひっついてくんなよ〜」
「おまえこそどけよー。これはオレのだって言ってんだろ」
「なに言ってんだよ。おめーが横取りしたんだろ?」
「オレのだよ、この緑のヘタは」
「じゃあ、オレのヘタはどこにあんだよ〜?」
「知るかよ! どっかで落としちまったんだろっ」
「落とすかよっ! だいじなヘタだぞ!!
「コレがねーと、おめー、スーパーボールと間違われたらどうすんだよっ!
「床にたたきつけられて『グシャッ』だぞ、『グシャッ』!!
「だいたい、これがアルのとナイのじゃ、鮮度がぜんぜん違ってみえるんだぞ、てめー」
「しっかたねぇなあ……、じゃあ、一緒に使うか?」
「はぁ? 一緒に使うかだぁ? それは、オレのだって言ってんだろうが!」
「まあいいや、一緒に使おうじゃねーか、なぁ兄弟」
「……そうだな。」
「……。」
「……。」
双子のミニトマト。
すっぱかった。