奪い合うか、共有するか

「ちょっ……、ちょい、どけよー!」

「そっちこそ、ひっついてくんなよ〜」

「おまえこそどけよー。これはオレのだって言ってんだろ」

「なに言ってんだよ。おめーが横取りしたんだろ?」

「オレのだよ、この緑のヘタは」

「じゃあ、オレのヘタはどこにあんだよ〜?」

「知るかよ! どっかで落としちまったんだろっ」

「落とすかよっ! だいじなヘタだぞ!!

「コレがねーと、おめー、スーパーボールと間違われたらどうすんだよっ!

「床にたたきつけられて『グシャッ』だぞ、『グシャッ』!!

「だいたい、これがアルのとナイのじゃ、鮮度がぜんぜん違ってみえるんだぞ、てめー」

「しっかたねぇなあ……、じゃあ、一緒に使うか?」

「はぁ? 一緒に使うかだぁ? それは、オレのだって言ってんだろうが!」

「まあいいや、一緒に使おうじゃねーか、なぁ兄弟」

「……そうだな。」



「……。」

「……。」


双子のミニトマト。

双子のミニトマト

すっぱかった。


タグ :トマト物語

同じカテゴリー(物語)の記事
バベルの塔
バベルの塔(2010-09-23 01:11)

勲章
勲章(2010-09-17 03:09)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
奪い合うか、共有するか
    コメント(0)